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今、東京オリンピックが開催されていますが
本当に小さいなころからスポーツに取り組んできた選手が多いですねぇ。
高校生以上と中学生以下の選手で大きな違いはいくつかありますが
その一つは骨の成長ですね。
個人差はありますが中学生以下の選手では軟らかい成長軟骨が存在し
骨が部分的にもろく、刺激の入り方により骨の形が変化しやすい時期といえます。
ここで問題となるのがスポーツにとっては大事なフォームです。
左右対称な動きならまだ良いのですが、たいていの場合は
利き手や利き足の関係で左右非対称な動きを繰り返し行うことになります。
ラケットを扱う種目や野球やサッカー、バレーなどは代表的なものですね。
陸上競技もハードルや高跳びや幅跳びなどでは
同じ足で踏み切ったり着地したりを繰り返しますし
トラックを走るときは常に同じ方向へ周り続けますので
足にかかる負担は左右で違ってくることが容易に理解できるかと思います。
このように足にかかる負担が左右で大きく違ってくると
骨盤にかかる負担にも左右差が生じます。
骨盤は左右の腸骨とそれに挟まれた仙骨の3つの骨で形成されてます。
この腸骨と仙骨のつなぎ目が仙腸関節ですね。
この関節は大人だと凸凹していてその周囲を靭帯で覆われているので
ほとんど動きは無いのですが、
子供だと関節面はつるつるのほぼ平面で、靭帯は筋肉の組織に近い状態で
固定する力はない状態なんですね。
ここにいろいろと刺激が加わることで頑丈で安定した関節へ育っていくわけですが
その刺激に大きな左右差があると
片方は凸凹の関節面でがっちりと動きにくく安定した関節で、
もう片方は凸凹が少なく若干ゆるめの関節になってしまうことがあります。
大人になってこの状態だと、
仕事で立ちっぱなしが続くと腰が痛くなるとか
生理や妊娠期間中に腰に痛みが出るなど
左右差ゆえに体重を均等にかけることができず、
左右のどちらかに痛みや機能不全をきたすことがあります。
もちろんトレーニングなどで症状を出にくくすることは可能ですが
可能であれば骨が育って形成される時期に左右均等に刺激を入れることを意識して
運動することで将来的にも痛みやそのほかの機能障害がでにくい体を
つくるようにした方が良いですよね。
スポーツのフォームは大事だと思いますので、それ以外の時間で
反対側の骨盤にも刺激が入るように、
そちらの足で軽く10回~15回ほどジャンプしたり
少し多めに体重をかけて歩いたり、ジョギングしたりを5~10分ほど行ったり
体に極端に負担がかかりすぎない程度に刺激を入れてあげると良いかと思います。
スポーツとの関わりも長いものになるかと思いますが
自分の身体とはさらに長く付き合っていかないといけませんので
周囲の大人が、ただ試合に勝つことだけではなく
その子の将来を違った角度からも見据えたうえで
指導やサポートをしてくれたら、素晴らしいですね!
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