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私たちがリンパ浮腫セラピストとしてリンパ系の勉強をした時には
脳と眼にはリンパ管は無い、というのが常識でした。
脳関髄液に含まれた成分の一部が首のリンパ管へ流れてくるという事実は
報告されていたので、どこかで脳室とリンパ管はつながっているいるとは
考えられていました。
ですので「無い」というよりは「存在を確認できていない」という認識でした。
存在を確認できないというのは、リンパ管を特異的に選別する方法がなかったからで
染色や発生の仕方などいろいろと研究が進み、ついに
眼にはシュレム管という組織が、リンパ管と発生の仕方が同じで働きも
似ているという報告があり
さらに2015年には脳内の脈絡叢や髄膜にリンパ管の存在が報告されました。
人の身体の構造というのはまだまだ不明なことが多いんですねぇ(+o+)
以前のブログでリンパ管と静脈の働きの違いについてお話ししましたが
末梢のリンパ管は静脈よりも太いので、大きな物を回収してくれます。
アルツハイマー型認知症ではアミロイドベータという大きな脳のゴミと
呼ばれるたんぱく質が脳内で増えて脳の神経を害し働きを悪くすると言われています。
この脳内のゴミが増える原因の一つとして脳内のリンパ管の数の減少や機能低下が
挙げられています。
通常であればリンパ管から脳の外へ排出されるはずのアミロイドベータが
リンパ管の機能低下のため排出されず脳内に蓄積してしまうという考え方です。
実際にラット等の動物では脳内のリンパ管の働きを悪くすると認知機能が低下し
リンパ管を増やす物質を脳内に与えると認知機能が回復するという報告があります。
いろいろと研究が進み、アルツハイマー型認知症の原因もアミロイドベータだけではなく他の原因も考えられるようになり、リンパ管の機能低下の原因についても報告が増えてきています。
今後の研究次第ではお薬でアルツハイマー型認知症が治る時代がやってきそうですね。
ただ、理学療法士として今できることがあるとすれば・・・
脳内の成分の一部が首のリンパ管を通ることは証明されているので
首や肩、頭部のリンパ管の流れを活性化する目的でマッサージ(ドレナージなど)を実施することはできるのかなと思います。
実際、首から胸椎にかけての筋肉はかなり硬くなっていることは多いですし
大きな副作用もないでしょうし
理学療法士は運動を実施する職業だ!と力説するセラピストも増えていますが
マッサージも理学療法士の定義に含まれている立派な治療手技であることを思い出してほしいものですね。
もちろん運動療法も大事な治療手技ですけどね (^_^)
自分が持っている治療手技を目的をもって
きっちり使い分けができることが大事ですよね。
遺伝子などに興味のある方は「APOE遺伝子」などで検索すると
アルツハイマー型認知症と遺伝子の関係なども詳しく書かれている
サイトがたくさんありますよ。
実際に検査を申し込める病院もありますので、
ご自分でも受けてみたいと思われる方は近所の病院を
検索してみてください。
このAPOEが脳内のリンパ管機能を低下させる一因であるとも
言われていますのでリンパ管との関係に興味のある方は
「APOE、lymph」などで検索するといろいろな
情報がアップされると思います。
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