「内股」というとオリンピックの影響もあり
柔道を想像しがちですが・・・
今回はつま先が内側を向いている「内股」についてのお話です。
女性に多いですよね。
この内股を
「下半身太りの原因になり、危険な内股」と
「若干のリスクはあるものの比較的安全な内股」
この2種類に分けてみたいと思います。
分ける基準は太ももの骨である大腿骨の捻じれです。
「大腿骨、前捻角」で検索すると図入りで丁寧に説明された
サイトがたくさんありますね。
なので、ここでは割愛させていただきます。
この大腿骨の捻じれである前捻角には個人差があり
捻じれの程度は人それぞれ。
さらに言うと個人でも左右差があったりします。
前捻角は胎児の頃が最大に捻じれていると言われています。
これは子宮内にいるときにかなり股関節を曲げているため
だと言われてます。
子宮内の成長に応じて「蹴る」ことを始めると
徐々に捻じれが小さくなり、
無事に産まれたあとも動き回ることでさらに小さくなり
伸長の伸びが止まる中学生か高校生まででだいたい
捻じれの変化が止まります。
女性に内股が多いの原因の一つは
男性に比べ女性の方が成長が早く、骨の伸びも早めに止まるため
捻じれが大きいままのことが多く
大腿骨の捻じれが大きいほど内股になりやすいためだと言われています。
これが「若干のリスクはあるものの比較的安全な内股」です。
内股の原因は大腿骨が捻じれているからで
股関節の受け皿と骨頭の位置関係は比較的良好で
一見内股でも股関節の適合性は保たれています。
関節の適合性が保たれていると
臀部や腰回りの筋肉も活動しやすくなるため
脂肪がたまりくく下半身太りになりにくいです。
ただ、大腿骨の捻じれが大きいこと自体が
関節の変形しやすさの一因と言われていますので
若干のリスクがあります。
リスクを回避するためには
体重を増やし過ぎないことや股関節周りと体幹の筋肉の
トレーニングをしたり、日常生活では股関節を深く曲げる回数や時間を少なくするなどです。
あとは一見内股の時に股関節の適合性は良い状態なわけですから
無理矢理、つま先をまっすぐに向けて活動し続けると
股関節の適合性は低下し股関節周りの筋肉の活動性も低下し
関節そのものへのストレスも大きくなるため注意が必要です。
次に2つ目の
「下半身太りの原因になり危険な内股」です。
これは大腿骨の捻じれは大きくないのに
無理矢理、内股にしている場合です。
昔からの癖だったりすると
本人的には無理矢理感は乏しいこともあるのですが
股関節の適合性は低い状態ですので
筋肉が正常に機能しないため
運動が苦手だったり、怪我が多かったり
下半身の筋活動が乏しいため
下半身太りだったりします。
この無理矢理内股状態で年月を重ねると
変形性股関節症になるリスクが高いです。
特に活動性が高かったり、階段やしゃがみ動作多いと
股関節への負担は大きくなるため
発症が早まるかもしれません。
では、大腿骨の捻じれの大きさをどのように
確認すればよいのでしょうか?
CTやMRI、超音波などで測定は出来ますが
理学療法士の臨床ではクレイグテスト(Craig test)を
実施するかと思います。
大雑把ではありますがご自分で判断する場合、
片足立ちを使って確認できるかもしれません。
右足を確認する場合
右の臀部に右手をあてて筋肉の収縮を確認します。
両足で立った状態から左足を上げて
右足で片足立ちの状態にします。
このときに臀部の筋肉が急激ではなく徐々に活動して
片足立ちを楽に感じられる角度を探します。
角度というのは
右足を外に向けた状態で片足立ちをして確認
つぎに両足立ちに戻って
右足を少し内側へ戻して
また片足立ちをする。
これを続けて、外股(がに股)から内股まで
徐々につま先の向きの角度を変えながら片足立ちを繰り返し
臀部の筋肉が急激ではなくスムーズに力が入り硬くなるのを
右手で感じられて、片足立ちを楽に感じる角度を探します。
恐らく、その角度が股関節の適合性が高い角度だと考えられます。
股関節に体重がかかっているときにはなるべくその角度で
支えることが出来るようになると股関節の負担も減り
筋活動が行いやすくなるため、生活が楽なるかと思います。
スポーツをやっている方ならフットワークなど
パフォーマンスの向上につながりますよ!
以前、成長期のスポーツに関して仙腸関節について書きました。
仙腸関節と同じように成長期に左右偏った動きを繰り返すと
大腿骨の捻じれなど骨の形態に左右差が生じます。
そうならいよう成長期の子供のスポーツに関わる大人の皆さんは
試合の結果だけでなく動きの偏りにも気を付けて
いろんな運動を取り入れていくと良いかもしれませんね。
–
これからもリハビリ関連の記事やアフェリエイトで大好きな商品を紹介していきますので
フォローしてくれたら嬉しいです!