スポーツはかなり高いパフォーマンスを発揮している分、体への負担も大きく
けがや体の一部に繰り返しストレスが加わることで生じる障害などが発生しますね。
そういったものを予防するよう多くの研究がなされ現場でも実践されています...
といいますか、実践されているところもあります(-_-;)
スポーツ外傷・障害予防の現状を大雑把に3つに分けると(大雑把が大好きです!)
ほぼ取り組んでいない
取り組んでいるが方法が適切とはいえない
適切に取り組んでいる
こんな感じでしょうか。
予防のための運動はかなり地味なものが多くて、退屈なイメージがあるというのもその一因かもしれませんね。
動画の視聴数を見てみても、予防のための運動の動画よりも
実際のテクニックに関しての動画視聴数のほうが圧倒的に多いですよね。
テクニック編のほうがすぐに身について、すぐに使えて、すぐに上手くなる気がして興味がありますよね、それも大事です。
理学療法士も「明日から使える!」というフレーズのついている講習会が大好きな人多いですからね。
一日で身につくお手軽テクニックが臨床で役立つといいですね・・・
話を戻しまして
ここでサッカーのFIFAがスポーツ外傷・障害予防のため考案した準備運動兼トレーニングである「FIFA11+」を例に予防に対しての日本と海外との意識の違いについてもふれながらお話ししたいと思います。
「FIFA11+」で検索をかければ日本語版の動画もアップされています。
内容は本当に基本的な運動なんですが、動画でお手本をしているつもりの選手たちも骨盤が傾いていたり、毎回膝がぐらついていたり、肩甲骨が浮いていて前鋸筋使えていなかったり、ジャンプの着地で股関節がうまく使えていなくて硬かったり、などなど動画そのものは良いお手本にはなってはいないのですが、一応音声と文章でフォローが入ってますので音声と文章に書かれたことをきちんと実践できると良いと思います。
ちなみにこの動画、英語版だと数万から数十万回の視聴数なのですが、日本語版は数千回のみです。
そんな日本でもドリブルのテクニックなどの動画は数万から数十万回の視聴数なんですねぇ、まぁ、ドリブルのテクニックは興味を引くので仕方ありませんかね・・・
たしかに「FIFA11+」の動画を見ても
これやったことある、すぐにできる、などと勘違いしやすいのですが、
指導者の専門的な目から見ればきっちりできてない可能性もあります。
もちろん、お手本動画にも少ないですが不適切な部分は含まれてます。
きっちりできていないということは効果もかなり限定的になりますから
現場での外傷や障害は減らないということになります、残念なことですが。
このことは以前の「成長期とスポーツ オスグッド編」でも書きましたが
原因はある程度分かっているのに予防できないというのはとても残念ですよね。
一見、同じ運動をしているように見えて
実際には
必要な筋肉が働いていなかったり、
余計な筋肉が働きすぎて動きを邪魔していたりなど
多くのミスが繰り返し学習されていき
役に立たない邪魔になる筋活動が身につくという結果を招くこともあります。
大雑把は大好きなのですが、運動の指導はかなり細かく指導しないと
大雑把な指導では逆効果になることもあります。
この「FIFA11+」を現場に取り入れて、ひとつひとつの動きのポイントを説明して丁寧に繰り返し選手へ指導して実践しているチームが日本に何チームあるんですかね。
ただ、なんとなくやってるだけ、では逆効果にもなりうることあるから注意が必要です。
この「FIFA11+S(shoulder)」でゴールキーパーの肩の外傷が減ったという研究もあり、他のバレーなど肩を傷めやすい競技でも参考にして取り入れているケースもあるようです。
確かに「FIFA11+」、子供用の「FIFA11+kids」、肩用の「FIFA11+S」は基本的な動きが多いので多くのスポーツで取り入れやすいかもしれませんね。
ただ、取り入れる際には大雑把ではなく丁寧な指導が必要になるかと思います。
スポーツで外傷や障害を減らせるよう、指導者やサポートメンバーは大雑把にならないよう注意しましょう。
そして、基本的な動きを習得できていないと、応用的なテックニックは身につかないことも理解させてあげましょう。
そのことが理解できずに「一日で身につくテクニック」にはまっている理学療法士が多いのも現実ですが・・・
どのようなスポーツでも職業でも基本は大事で、基本を身につけることが難しく時間がかかりますよね。
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