中高年の肩の痛みと言えば、五十肩、肩関節周囲炎、凍結肩、などなど
様々な呼び名がありますね。
これは総称ですので、同じ五十肩と言われても
肩を構成する関節、筋肉、靭帯、関節唇などの、どの組織が、どの程度
損傷しているかにより個人個人で症状や治るまでの期間に差があります。
ですから、誰かの経験談が自分の治療に役立つこともあれば、全く役に立たないこともあります。・・・役に立たないことが本当によくあります。
よく耳にするアドバイスとしてましては
痛くても動かさないと固まって動かなくなるよ!
痛いとこまで動かしてると鍛えられて痛くなくなるから!
これ、完全に自分の身体に対する虐待です。
これは、かなりの確率で悪化させる原因になりますのでお気を付けください。
かなりの確率と表現したのは、少ない確率ではありますが人類の中には強者がいて
痛みを出しながら動かし続けて治せる規格外の最強人類が確かに存在するからです。
ただ、それはかなり少数派でほとんどの人には当てはまらないため
ごくごく普通の一般の方はマネしないようにしましょう(-_-;)
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ここで少し考えていただきたいのですが
骨が折れても、大抵の場合はギプスなどで固定して無理しないように過ごせば
2~3か月で治ります。
ではなぜ半年や1年間以上も肩の痛みが続いて動かせないような状態になる方がおられるのでしょうか?
切り傷で考えてみましょう。
切り傷でかさぶたができて痛みが治まる前に、自分で傷口を押さえたり引っ張ったり擦ったりして痛みを出すという行為を毎日のように続けたらどうなるでしょうか?
傷口が悪化して痛みがいつまでも続きそうな気がしますよね。
肩の痛みも同じように、痛みを出しながら生活しているといつまでも治らない可能性が高いです。
腱板や上腕二頭筋長頭腱などの炎症が原因で痛みが続いている場合、治療の第一段階としては炎症の原因となっている部位にストレスをかけないよう痛みを出さない生活を2~4週間続けることです。
治療に失敗しているケースで多いのは
痛みを出して動かさないといけないんだ!という誤った熱意と
動かさないと固まって動かなくなってしまうという不安です。
治療するためにここで登場するのが、何もしない勇気!です。
患者さんも治療する側も動かしたり何かしないといけないような衝動にかられて
ついつい動かし過ぎて新しい損傷や炎症を作ってしまい、組織の治癒の邪魔をしてしまうことがありますが
ここはどっしり構えて、痛みが出るようなことは一切やらない!と覚悟を決めて治療に臨みましょう!
この治療中にもう一つ注意することがあります。
先ほどの切り傷のお話に戻ります。
切り傷は2~3日でかさぶたも出来て痛みがほぼ無くなります。
しかし、痛くないからといって調子に乗っていると、かさぶたが壊れてまた血が出てきたりしますよね。
もう一つの注意点は痛みがなくなっても、すぐには組織自体の強度は元通りにはなっておらず壊れやすい状態が続いているということです。
肩の痛みが出ないように気を付けて生活していると肩自体の炎症も痛みも軽くなってきますが、肩の中の傷はまだ完全には回復しておらず壊れやすい状態が続いているということを理解しておくことが大切です。
痛みが楽になってきたからといって、すぐに無理をさせてしまうと、すぐに損傷部位の傷口が開き痛みが復活します。
肩の安静を続けて痛みが無くなってきたら、そこからさらに2週間前後は無理させずに安静を継続していきます。
そうすることで損傷部位の組織がさらに回復し、少々動かしても傷口が開かなくなります。
ここからさらに2~4週間ほどかけ日常生活や仕事などで少しずつ使うようにして、損傷部位が丈夫になるように鍛えていきましょう。
損傷部位を鍛えるときにポイントとなるのは、痛みが出てきたら1~2日は肩を安静にししっかりと回復させることです。使っては休ませ使っては休ませを繰り返すことで組織を丈夫に回復させていくことが出来ます。
今回書いたのは、損傷とそれに伴う炎症による痛みが原因で動かせない場合の対処法です。
今回の方法を試して、痛みは減ったけど肩が動かない、無理に動かそうとすると痛みが出る、といった症状が続く場合は他にも原因が残っています。
残った原因への対処法も今後書いていきたいと思います。
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