小説:田舎でPT③新年と言えば

田舎の理学療法士の日々を盛に盛って書いてるフィクションです。

6日間もあるはずの年末年始のお休み、なぜかすぐに終わる。

それはそれは、あっという間に終わる。

年末年始だけ一日が24時間以下じゃないのか、15時間で1日カウントになっているんじゃないかと思うくらい、すぐに朝が来て、すぐに日が暮れて、すぐに一日が終わり、休みも終わる。

毎年のことだけど、なんだか騙されている感じだ。

新年、初出勤

「今年もよろしくお願いします。」

「ごちそう食べ過ぎたんじゃないんですかぁ」

「子供たちが帰ってきたから、体力もお財布もすっからかん」

などなど毎年恒例のお話があちらこちらで聞かれる中

リハビリ室もお仕事スタート。

新年の初仕事に必ずと言っていいほどいるのが

橈骨神経麻痺!

腕がマヒして手首から先が垂れ下がって見える下垂手が特徴的だ。

学生時代に整形外科の講義中に

「橈骨神経麻痺はハネムーンパルシーと呼ばれている、なんでかわかるか?」

「新婚旅行の夜に彼氏が彼女に腕枕して、朝起きたらマヒしてることがあるから」

「お前らも気をつけろよ!」

などと中年オヤジの先生がニヤニヤしながら話していたのを不覚にも思い出してしまった。

まぁ、結論から申し上げますと

そんな発症のしかたした患者なんか見たことねーーー!

そう、橈骨神経麻痺をよく見かけるのは新年

酔っぱらってテーブルに突っ伏して自分の腕を枕にして寝てしまい

自分の頭で腕の神経を圧迫してマヒさせてしまった人

サタデーナイト症候群とも言うらしいが

こういったアルコールがらみでマヒになってしまった

ある意味幸せな時間を過ごした人たちである。

よほど酷くなければ数週間以内に自然治癒すると言われている

とても予後の良いマヒなので特にやることもないんだけど

せっかく病院に来ていただいたので

手首が垂れ下がらないように手首のサポーターを持ち帰っていただいたり

傷んだ神経や筋肉へを電気刺激したりすることもあるんだけど

こういう患者さんの決まり文句は

「呑めば治るから大丈夫!」

まぁ、呑んでこうなってるんでしょうけど

こういう患者さん多いんだよなぁ(-_-;)

まぁ、呑んでも吞まなくても自然と治るんだろうけど

呑んで治ったを思われるのもなんだかシャクだなぁ

おっと、新年早々、心の悪魔が絶好調じゃないか

そして翌日

心の悪魔のお導きなのか

病院に着いて、私の目に入ってきた光景は

そう、昨日左手の橈骨神経麻痺で電気刺激療法を受けて帰った患者さんが受付をしている。

右手も垂れ下がってるし

本当に酔っぱらうまで吞んだんだぁ

そこまで自己管理できないのに、ちゃんと病院には来るんだねぇ

褒めてよいのか

てか、笑いが止まらないんだけど

心の悪魔がぁーーーーー

自分の正月太りもなんとかしないとなぁ・・・ふと我に返る瞬間

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