小説:田舎でPT⑫犬もリハビリ

田舎の理学療法士の日常を描いたフィクションです。

昨夜はソムリエに相談して選んでもらったお刺身合うワインと

冷凍なのに信じられないほど新鮮なイカのお刺身!

まさに至福~~~❣

ワインがこんなにお刺身に合うなんて!!

聞いていはいたけど、初めて試してみました、美味しかったぁ

そして今日は日曜日!

昼前まで寝てみました!

さすがにお腹がすいたので朝食を済ませひといき・・・

「あぁ~、やっぱり休日はさいこうだぁー」

とはいうものの、食後にゴロゴロしているのも良くないので

少しお散歩へ

歩いていると愛犬と散歩中のお隣さんと遭遇

「あら、セラちゃん」

「田中のおばさん、おはようございます」

「セラちゃん、お昼よ」

「あ~、こんにちは」

「こんにちは、今日はお休みだからゆっくね」

「はい、お休みは最高です!」

「そうね、仕事してるときはそうよね」

「チロもお散歩楽しそうですね」

「そうねぇ、もうおじいちゃんだから弱らないように一緒に運動してるのよ」

「そうかぁ、チロもおじいちゃんと呼ばれる年齢なったかぁ」

「最近は特に足腰が弱ってきたみたいでね」

「セラちゃんにリハビリしてもらわないとね、でも動物のリハビリは無理かしら」

「実は動物の理学療法ってあるんですよ、私は専門ではないけど・・・」

と、専門でもないくせに豆知識を続ける

「老化予防にマッサージしてあげるのはいいらしいですよ」

「マッサージねぇ、凝りをほぐしたりリラックスさせるのにはいいってネットに書いてあったからそれはやってるわよ」

「いえいえ、マッサージはもっと奥が深いんですよぉ」

専門でもないくせに更に豆知識を続ける

「海外の研究ではマッサージすると筋肉の再生が促進したり筋肉の老化を予防してくれるっていう研究結果がたくさん報告されてるんですよ」

「犬も?」

「はい、実際に犬の研究もあるんです」

「どうやるの」

「それはですね、一つ一つの筋肉を意識してこうやってマッサージしてあげるんです」

「あら~、チロ、気持ちよさそうにしてるわねぇ、私がするときとは大違い」

「では、田中のおばさんもやってみましょう、こんな感じに」

「これが筋肉ね、なるほど、なんとなく分かってきたわ」

「そう、その感じですね」

マッサージの指導に夢中になっていたがふと我に返った、ここは病院じゃなくて道ばただった。

道端に大人2人が座り込んで犬のマッサージを、それもそこそこ長い時間、

やはり不自然だよね、実際、視線を感じるし・・・

「じゃあ、またわからなかったらいつでも聞いてね、私はもう少し歩いてきます」

「あぁ、ありがとうね、やってみるわね」

「はい、やってみてください、チロも筋肉もりもりになりますよ」

そういって私は田中のおばちゃんと別れ散歩の続きを

お休みなのに仕事をしてしまった気分だったが

チロが元気になるといいなぁ

たまにはマッサージしに行ってあげようかな、ついでにおばちゃんからご飯のおかずをゲット・・・いけない、いけない、下心が

鎮まれ下心!

散歩に集中!

散歩に集中って、何に集中したらいいんだか

あぁ、休みが半分以上終わってしまっている~

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