小説:田舎でPT⑯くびれが欲しい

田舎の理学療法士の日常を描いたフィクションです。

今は3時のおやつの時間です。

患者さんの予約のキャンセルが入ったのでお昼に食べれなかったスイーツを食べることにします。

今日の3時のおやつは水まる餅!

この食感は!すーと溶けるよな優しい口当たり

甘いけど、ほとんど水だから罪悪感は半減だし、美味しいし、至福!!!

と、一人スタッフ休憩室で幸せな時間を過ごしていると

「また何か食べてる!」

と、ベテラン看護師登場!

「沢田さん、びっくりして幸せな時間の余韻が飛んじゃったじゃないですかぁ」

「そんなことで泣こうとしないの!」

「でも、そんなに食べても太ってないから羨ましいわ」

「まぁ、日頃のたゆまぬ努力の成果ですかね」

「私も腹筋鍛えたりベリーダンスしたりして努力してるのに全然くびれないんだよなぁ」

「それは、努力の仕方が間違ってるからですよ」

「間違ってる? えっ? なんかショックなんだけど」

「あ、すみません、同業者相手だと言い方がストレートになってしまいがちで」

「ほんと、グサッときたわ」

「でも、努力の仕方間違ってるから結果も出てないわけですよね」

「繰り返しグサッと刺したうえにえぐってる⁉」

「すみません、ちょっと悪ふざけしてみました」

「ここからは真面目な話なんですけど、あっ、時間は大丈夫ですか?」

「正直、忙しいけど、ここまできて後戻りはできないから」

「いや、そう大した話ではないんですけど、急いで話しますね」

「そうしてくれると嬉しい」

「腹部の筋肉がたるんでいてウエストが太くなっている場合は、筋肉を鍛えて引き締めることである程度は細くなるんですが、それほど細くはなりません」

「まさに今の私ね。食事を減らして運動もしてある程度は細くなったんだけど綺麗にくびれないのよ」

「そこまで来たならあとは簡単ですよ」

「あとは西洋の貴族がやっていたようにコルセットを使って細くするだけです」

「コルセットを使うの?」

「はい、くびれに必要なのは広がっている下位肋骨を引き締めることなんです」

「ここね」

「そうです、肋骨が引き締まることで骨盤との間にきれいなくびれができてくるんですよ」

「なるほどぉ」

「肋骨が広がったまま硬くなっていることが多いのでコルセットを使って引き締まった位置を体に教えていく必要があるんです」

「それが足りてなかったのね」

「そうですね、どんなに鍛えても肋骨が広がったままではきれいにくびれることは難しいと思います」

「早速、明日からコルセット巻いて仕事するわ」

「きつめに巻くと苦しいと思いますので、巻く強さや時間を調整してみてください」

「分かった、ありがとう!」

「いえいえ」

「それで富井寺さん」

「はい、なんでしょう?」

「片付けて早くリハ室に戻った方が良いんじゃない」

「もう、こんな時間!、早く戻らないと」

「いろいろ教えてくれたお礼に私が片付けておくから早く戻りなさい」

「え、いいんですか、じゃぁ、お願いします」

私も久しぶりに努力しようかな

まぁ、努力と言っても、コルセットをきつめに15分くらい巻くだけなんだけど

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