小説:田舎でPT⑨背中のつっぱりは…

田舎の理学療法士の日常を描いたフィクションです。

「昨日は喜寿のお祝いでみんながきてくれて大変だった」

「それは良かったですねぇ、喜寿のお祝いかぁ」

「77年も生きてるとお祝いとかどうでもいいわ」

とかいいながらニヤけているこの男性は変形性膝関節症で治療中の竹中さん。

「どうでもいいとかいって、嬉しいんでしょう、だいぶニヤついてますよ」

「そう? ちなみにこの靴は昨日孫たちからもらった、軽くて歩きやすいわ」

「ほらほら、良いことばかりじゃないですかぁ」

「いやいや、いっぺんに大勢で来るから疲れたわ」

「疲れたせいか最近、右の背中が痛いような突っ張るような感じがする、死ぬやろか?」

「いや、背中のつっぱりで死ぬことはないでしょう・・・けど」

この時、4年前に担当していた西村さんのことが頭をよぎった。

西村さんは肩の痛みで治療に通っていたが、今回のように背中に痛みのような突っ張り感を感じていた。

肩の痛みと関連しているのかと思って治療していたけど治療効果があまりなかった。

そんなとき咳が出るからと近所の呼吸器専門の病院に受診した結果、

肺がんで肋骨にも転移していたことが分かり、4週間後に亡くなった。

背中の突っ張り感というのはよく耳にするようで、実は少ない。

背中の突っ張りを訴える患者さんって整形外科では意外と少ないのだ。

一抹の不安を抱えながらご機嫌の竹中さんに質問をしてみた。

「竹中さん、最近咳とか出ない?」

「あ、そういえば最近咳がたまに出る、年寄りだからかな」

「うーん、咳が続くのは心配だから一度ちゃんと診てもらった方が良いかも」

「病院ばっかりじゃな」

「まぁ、そう言わず行ってみよう」

「あんたがそういうなら、行ってみようかな」

数日後、近所の病院へ行った竹中さんから電話で連絡があった。

「もしもし、富井寺さん」

「はい、富井寺です、竹中さんですか」

「あれから内科に行って胸のレントゲンを撮ったら少し気になるから精密検査するって言われた」

「そうですかぁ、心配ですけど早く結果が出ると良いですね」

「うん、早く結果が分かる方がいい」

「あんたが内科に行くように言ってくれて良かった」

「竹中さんがちゃんと内科に行ったからですよ、結果が大したことないと良いですね」

「そうじゃな、そんときはまたリハビリに行くから」

「はい、お待ちしてますね」

・・・

大した病気じゃないといいけどなぁ

体幹の筋肉の突っ張り感は内臓の影響を受けていることもあるから気を付けないと

西村さんのときにも早く気付けてればなぁ

ほんと知らないというのは怖いことだなぁ

今日も一人反省会だな

でもしっかり食べないと脳が働かないから食べないとな

うん、しっかり食べながら反省会だ!

たくさんお取り寄せしといてよかったぁ!

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