田舎の理学療法士の日常を描いたフィクションです。
今朝は早起きできたので
栄養たっぷりのパンと
美味しいコーヒーで朝食をゆっくりとすませて、いざ出勤!
春一番が吹き荒れてます。
駐車場でドアが風にあおられて急に勢いよく開いてびっくりしたぁ。
隣に車が止まってたら確実にぶつけてたなぁ、気を付けないと。
などど、朝からドキドキでした。
さて、スクラブに着替え終わって今日もお仕事スタートします。
てか、一週間がスタートします、次の休みまで頑張って働きます。
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今日の朝一の患者さんは腰椎の圧迫骨折の痛みが3か月経っても良くならずに病院や整骨院など転々していた片桐さんだ。
通い始めの頃は痛みがひどくて一人で起き上がることも出来ず、座っていることも大変だった。
定年後で時間にゆとりがある旦那様が付き添って来院されていたが今は一人で車を運転してこれるようになっている。
「富井寺先生、おはようございます」
「片桐さん、おはようございます。動きがだいぶ軽快になりましたね」
「本当におかげさまですごく良くなりました。ここへ来るまでは腰が痛すぎて死にたいと思うほどでしたので」
「ひどい腰の痛みが3か月も続いてましたからねぇ、よく頑張りましたね」
「本当に先生のお陰です。こんなに動けるようになるなんて思っていなかったです」
「食が細いので骨を強くするサプリメントにも頼ってますけど」
少し涙ぐまれつつ嬉しそうに話してくださっている・・・けど(-_-;)
「いえ、私はほとんど何も・・・片桐さんの努力の成果ですよ」
そう、今回私はほとんどといっていいほど理学療法と呼べるものは実施できていない。
強いて言えば痛みが引いてきてからのトレーニングくらいだろうか。
転倒して圧迫骨折の診断を受けて3か月間痛みが治らず病院や整骨院などを転々とされ、うちの病院に通うようになって3ヶ月、つまり半年かけてようやく痛みから解放されつつある。
普通は1~2ヶ月で痛みなく動けるようになる圧迫骨折がなぜこんなに長引いたのか?
これは医療の考え方が変わってきた弊害だ!と恰好つけてみる。
私が理学療法士の学校を卒業したころは圧迫骨折は硬いコルセットを巻いて約1ヶ月ほぼ寝たきりの状態で治療することが多かった。
でも最近は、早期に動けるようにしないと寝たきりになる!という一部の整形外科医たちの無謀な心意気の影響で軟らかいコルセットを巻いて2週間後には退院させることも増えてきた。
結果、骨がきっちり治らず折れたままの偽関節という状態になり、片桐さんのように長いあいだ痛みが続くお年寄りが増えている。
そもそも圧迫骨折を起こす人は骨粗しょう症で骨が脆くなっていることが多いわけだから、普通の骨折よりも治りが悪いという予測は出来ると思うんだけどなぁ。
そういったことも踏まえて、こちらで行ったことは医師と片桐さんご本人と相談して硬めのコルセットを作り直して痛みを悪化させないように横になっておく時間を増やしてもらい、カルシウムやコラーゲン、タンパク質の摂取量を増やしていただく、これだけ。
だいたい1ヶ月後には寝返りや起き上がりの際の痛みが無くなってきたので以前作成した軟性コルセットに変えていただき、活動性を徐々に増やしていった。ここらからやっと理学療法の本領発揮と言ってよいのかな?
今では日常生活では痛みが出ることもなくなり、表情も声のトーンも変わってある意味別人のようになってきた。
本当に良かったなぁ・・・あんまり、てか、ほとんど仕事はしていないんだけど・・・
片桐さんが元気になったんだからいいじゃないか!
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